【早期治療がカギ】虫歯には段階がある?進行状況別に治療内容を紹介

皆さんこんにちは。
むかえ歯科・小児歯科です。

今回は虫歯の段階についてお話していきます。

虫歯もいきなり悪化するのではなく、徐々に進行していきます。
痛みがないものでも、放っておくと更なるトラブルに繋がる可能性もあります。

本記事では、虫歯の段階や進行状況別の治療内容を紹介していきます。
進行速度を遅らせる方法も解説していきますので、ぜひご覧ください。

監修者:迎 和生
総社市の歯科医院「むかえ歯科・小児歯科」院長、歯科医師。
地域に根ざし、子どもから大人までお口の健康をサポート。できる限り歯を残す治療や予防を手掛ける。

虫歯のメカニズムとは?

虫歯には原因となる菌がいます。
これが「ミュータンス菌」と呼ばれるものです。

ミュータンス菌は、食べかすから餌となるショ糖を取り込み、歯垢(プラーク)を形成します。
さらに、歯垢の中で原因菌がさらに増殖し、ショ糖から酸をつくるのです。
酸によって歯は溶けていき、穴が開きます。
これが虫歯のメカニズムです。

歯はエナメル質、象牙質と呼ばれる硬い組織があり、その内部に、神経や血管から構成される歯髄(しずい)があります。
虫歯の進行度は、歯がどれだけ溶けているかで判断されるのです。

虫歯の段階とステージごとの治療内容

虫歯は進行度合い別に、以下5つのステージに分けられます。

  1. 【C0】削る治療の必要ない初期の虫歯
  2. 【C1】歯の表面の虫歯
  3. 【C2】象牙質の虫歯
  4. 【C3】神経まで進行した虫歯
  5. 【C4】歯根に達した虫歯(末期の状態)

それぞれの段階と治療内容を紹介していきます。

【C0】削る治療の必要ない初期の虫歯

C0(シーオー)とは、初期の虫歯です。
歯の表面のエナメル質が溶けて、濁りが見られる状態のことをいいます。
痛みを感じないのが特徴です。

C0の状態は、歯を削る必要はありません

正しいブラッシングによって治癒することがあります。
そのため、丁寧な歯磨きを心がけましょう。
さらに、フッ素塗布などにより進行を防ぐ方法もあります。

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【C1】歯の表面の虫歯

C1とは、エナメル質が溶けて歯の表面が黒くなった状態
痛みなどの自覚症状はないですが、C0よりも虫歯が進行している状況です。

C1では、虫歯部分を削ってプラスチック(レジン)を詰めて治療します。
歯を削りますが、進行は浅いため麻酔を使用する必要がないことも多いです。

治療で使われるプラスチックは歯と同じ色にできるので、ほとんど目立たないという特徴があります。

【C2】象牙質の虫歯

C2とは、エナメル質の内部の象牙質まで虫歯が進行した状態です。
冷たいものや甘いものを食べると歯がしみます。

C2の状態は、虫歯部分を削って詰め物(インレー)をして治療します。
ここで使われるインレーは型をとる必要があり、作製には1~2週間ほどかかることもあります。
完成するまでには仮の詰め物をします。

【C3】神経まで進行した虫歯

C3とは、虫歯が神経にまで達した状態です。
何もしていなくても激しい痛みを感じるので、かなり症状が進行しています。

C3の状態では、神経を取り除く「根管治療」を行ない、針の形をした専用の器具を用います。
治療中はかなりの痛みを伴うこともあります。

しかし、放っておくとさらに虫歯が悪化してしまうので、ここでしっかりと施術を受けましょう。
根管治療をした後には、「クラウン」と呼ばれる被せものを使用して機能を回復させます。

▼根管治療の詳細を説明したコラム▼
>>歯の神経を抜くとどうなる?根管治療の流れや注意点を解説

【C4】歯根に達した虫歯(末期の状態)

C4は、神経が死んで、歯根まで虫歯が達した状態です。

末期の容態と考えてもいいでしょう。
ここまでくると、神経が死んでしまっているため、痛みを感じなくなることもあります。

しかし、この状態をさらに放置すると、根に膿みを持つようになり、強烈な痛みを感じるようになります。
痛みがなくなったからといって放っておくことは危険です。

この段階まで虫歯が進んでいると、ご自身の歯を残すのは難しいでしょう。
症状がひどい場合は抜歯を行います。
その後、インプラント治療やブリッジ、入れ歯をして、欠損した歯を補います。

虫歯の進行速度は永久歯より乳歯が速い

虫歯の進行速度は、乳歯と永久歯によって異なります。

一般的に、乳歯は虫歯の症状が進行するスピードが速い傾向があります。
エナメル質が永久歯よりも柔らかく、未成熟であるためです。
また、エナメル質と象牙質は、永久歯の半分程度の厚みしかありません。

子どもは一度虫歯になってしまうと、症状が進行しやすいです。
定期的な検診を受けさせたり、お口に異常があれば早めに治療を受けさせたりしましょう。

虫歯の進行速度を遅らせる5つの方法

症状が進行すればするほど治療も大きくなる可能性があります。
やはり大切なのは虫歯を予防・悪化させないよう対策を行うことです。

ここでは、5つの方法をご紹介していきます。

  1. 毎日歯磨きを行う
  2. 糖分を摂りすぎない
  3. 間食の回数や時間を制限する
  4. 歯間ブラシやフロスを併用する
  5. 定期的な検診を心がける

それぞれの項目について、丁寧に解説していきます。

【虫歯の進行速度を遅らせる方法1】毎日歯磨きを行う

虫歯予防に大切なのは歯磨きです。
初期の虫歯であれば、ブラッシングだけで治癒することもあります。

朝昼晩、毎日3回の歯磨きを心がけましょう。
寝ている間に虫歯菌は増殖するため、忙しい方は夜だけでも丁寧な歯磨きを行ってください。

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>>【歯ブラシの選び方】普段の歯磨き用におすすめの選び方を年齢別に解説

【虫歯の進行速度を遅らせる方法2】糖分を摂りすぎない

虫歯の原因菌(ミュータンス菌)の好物は糖分です。
そのため、甘いお菓子などは摂りすぎないよう注意しましょう。

1日に摂る間食をコントロールして、糖分を控えるよう意識してください。
ダラダラと長時間食べ物を口にいれている状態はよくありません。
時間を決めて摂取するようにしましょう。

さらに、お菓子を食べた後は、歯磨きをする・口をすすぐなど行うよう意識してみてください。

【虫歯の進行速度を遅らせる方法3】間食の回数や時間を制限する

普段から間食する習慣がある方は、回数や時間を制限しましょう。

ダラダラと食事をしてしまうと、口内環境が酸性に傾くためです。
結果として、細菌の活動が活発になり、虫歯の進行速度を速めてしまいます。

「間食は1日1回15時に食べる」など、回数や時間を制限して、ダラダラ食事をしないように注意しましょう。

【虫歯の進行速度を遅らせる方法4】歯間ブラシやフロスを併用する

普段の歯磨きに加えて、歯間ブラシやフロスを併用しましょう。
歯と歯の間にあるプラークを除去できるためです。

歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで、歯垢除去率が上がるというデータも出ています。
ライオン歯科衛生研究所によれば、歯垢除去率は以下の通りです。

  • 歯ブラシのみ:58%
  • 歯ブラシ+デンタルフロス:86%
  • 歯ブラシ+歯間ブラシ:95%

このことから、歯間ブラシやフロス併用することで、虫歯の原因となるプラークをより取り除けることが分かります。

▼歯間ブラシやフロスの使い方を知りたい方はこちら▼
>>
フロスと歯間ブラシは両方使うべき?特徴や使い方を解説

【虫歯の進行速度を遅らせる方法5】定期的な検診を心がける

定期的な検診を受けることで、虫歯の早期発見に繋がります。
そのため、症状が悪化する前に、歯科医院へ行くことが大切です。

特にC0の初期虫歯の段階で虫歯がみつかれば、歯を削らずに治療できる可能性もあります。

お口のトラブルが特にない状態でも、普段から定期的な検診を心がけましょう。
不安なことがあれば、ぜひお近くの歯科医院へご相談ください。

虫歯でお困りの場合は歯科医院へご相談を

虫歯の症状を放っておくとさらなるトラブルに繋がる場合があります。
虫歯がある場合はどんなに軽い状況でも、早めの治療を行いましょう。

また、そもそも虫歯になる前に定期的な検診を心がけることも大切です。

治療や検診に少しでも不安があれば、お近くの歯科医院へご相談ください。
当院の虫歯治療もご利用ください。

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当院での治療を検討していない患者様による、ご質問だけのお電話はお控えください。